Italy/Sicilia
Faro
Bonavita
Nerello Mascalese,Nerello Cappuccio,Nocera
Alc.%
樹齢30~55年
(テイスティングコメント)
シチリア最古で最小のDOCワインです。
熟成したピノノワールのような上品な味わいです。
バニラやすみれのような香りで出迎えてくれ、透明感があり素直で安定したボリュームがあります。
穏やかな酸味が心地良い余韻を作り、伸びのある旨味が複雑な味わいを形作っています。
カラタマオリーブの塩漬けが止まらないくらい、相性がよく、ローストビーフなどとも合いそうです。
(商品について)
収穫後、一部除梗せず果皮と共に大樽で40日間、ゆっくりと醗酵が進む。
圧搾後、そのまま12か月大樽にて熟成。セメントタンクに移し12か月。
(Bonavita)
穏やかなる意思表現、ジョバンニほど柔軟な思考と強い気概を内在している造り手はいない。シチリアの北端、メッシーナの内陸にある町ファーロ スーペリオーレ。 100 年前はシチリア有数のワイン生産地域であったにも関わらず、現在 DOC Faro を ボトル 詰めしている カンティーナは彼を含めわずか 3 つ。シチリア最古の DOC でありながら最少の DOC という 複雑な背景を持つ地域。 2005 年、ジョバンニ スカルフォーネは母の受け継いできた 1ha ほどの土地「 Bonavita 」にて、本格的なブドウ栽培とワインの自家醸造を開始する。 コントラーダ と 呼 ば れ る この小さな 土地は、代々家庭用として野菜やオリーブ、ブドウを栽培 。 今まで一切の薬剤や肥料を使わずに守ってきた土地。彼自身、幼い頃からこの畑で野菜 やブドウの栽培に携わったことは、彼の一貫したフィロソフィを形成したといってもいい。
標高が高く(300 m)北向きの斜面は、一見ブドウの栽培に不向きのように思える。しかし、シチリアの強すぎる日差しと高温から適度に果実を守り、メッシーナ海峡より吹き続ける北からの潮風は、果実に十分な酸と骨格を、そして南にある手つかずの山は、地域特有の南風シロッコ(アフリカ大陸から海を越えてやってくる、砂と水分を含んだ熱風。
醸造は自宅の地下室を改造した小さなカンティーナで行う。果実は一部除梗せず, 開放桶で 2 週間のマセレーション 果皮浸漬 を行い、自然酵母による醗酵を促す。 日々の攪拌を行いつつ 木樽にて 12 か月、 ボトル 詰め後 6 か月の熟成。ロザートは約 1 日( 24 時間) のマセレーションを行い、自然酵母による醗酵。十分すぎる色素(アントシアニン)は、不安 定といわれるロザートの醗酵を非 常に安定させ、 SO2 の添加を全く必要としない。 すべて の行為(栽培・醸造すべてを通して)に明確な必要性がある。反対を言えば必要のない行 為(薬品の添加や、醸造的な技術介入)をいかに排除していくのか、そこにジョバンニの考 えるワイン造りが見えてくる。果実の素晴らしさを失うことのない彼のワインには、本来の果 実や香りを失うことなく感じる。そして醸造・熟成によって更なる味わいをもたらしてくれる。