Italy/Toscana
Chianti Classico 2021
Montesecondo
Sanjiovese,Clorino,Canaiolo
Alc.13%
赤
(テイスティングコメント)2020
カシスやチェリー、スミレなどの香り。
軽やかな口当たり、程よい酸味、複雑さと心地よい余韻。
エレガントでバランスの良い味わい。
(商品について)
このワインはサンジョヴェーゼ主体、カナイオーロとコロリーノを補助品種として使用しています。
ビオディナミで育てたブドウは、収穫時にブレンドしてサン カッシャーノ イン ヴァル ディ ペサのテロワールを表現しています。
1ヘクタールあたり3300本という植樹密度の古い畑から収穫されたブドウは、複雑さと余韻の長さを十分に表現しています。
収獲したブドウの3割は、除梗せずに全房のままセメント製の発酵槽へ移しています。
圧搾後に半分は中型の樽で、半分はセメントタンクで熟成させることで、ワインに柔らかさとバランスを与えています。
光沢のあるルビー色。チェリーやカシス、スミレの香り。口当たりは軽やかでシルキーな感触。程よい酸味もあり、古木のブドウから摘出された複雑さや余韻長さも感じます。10-15年の熟成が可能な、エレガントで調和のとれたキャンティ クラシコです。
(造り手について)
「モンテセコンド」はフィレンツェに近いキャンティ クラシコの最北端、サン カッシャーノ イン ヴァル ディ ペサに位置しています。
現当主「シルヴィオ メッサーナ」はニューヨークで仕事をしながらミュージシャンを10 年以上目指し続けていましたが、1999年結婚を機にこの地に戻ってきました。
「父親は葡萄栽培農家だった。収穫した葡萄はバルクで販売していた。1970年代に作られた畑は農薬で傷んでいた。理想的ではなかった」と話します。
彼のファースト・ヴィンテージは2000年。
ここからシルヴィオは迷いながらワイン造りを変えていくことになります。
2001年からビオロジックを導入しましたが、薬剤に慣れていた葡萄は一時期収量が半減してしまいました。
病気に対応できなかったので、2004年からは段階的にビオディナミを導入していきました。
ビオディナミの第一人者であるニコラ・ジョリーに学びましたが、実際は困難の連続でした。
2008年はベト病によって80%の葡萄が焼け死んでしまったのです。
「自根の苗木を台木なしで植樹することも試した。 50%がフィロキセラにやられた」
しかし、ビオディナミの導入により葡萄樹は耐性を強めてきて、葡萄樹自体も強くなってきていると確信したのです。シルヴィオ本人も自然への対処の仕方が理解できるようになっていきました。
「土壌はカルシウムやマンガンが豊富な粘土。硬く固まってしまう土壌で水分も貯めてしまう。ビオディナミによって土質が変化し、空気を含むようになった。その影響で水はけも良くなった」とシルヴィオは言います。
樹齢は35年で、古い畑はヘクタールあたり3,300本ですが、徐々に6,000本に変更していっています。
さらに、支柱と針金に支えられた葡萄樹が自然だと思えなかったことから、一部をアルベレッロ仕立てに変更しました。
アルベレッロはすべて手作業で樹をケアしていく。
自然と収量も落ちるので、それほど樹齢の高くない彼の畑には都合が良かったのです。
また、湿気によるカビや病気が多いこの地域ではアルベレッロによって空気の流れができることも重要でした。
醸造に関してもいろいろなことを試していて、マセラシオンの長さも毎年変わってきます。
2007年頃からは完熟と美しい酸の確保の両立を意識し始めました。
「サンジョヴェーゼのピュアさを感じてもらうのに最適なのはワインになにも与えないアンフォラだと思う。キャンティ・クラシコは樽熟成が義務付けられているので、IGTティンとしてリリースした」と言うシルヴィオ。
ワイン造りを始めてから15年でビオディナミの導入、アルベレッロへの変更、台木を使わない植樹。そしてアンフォラ発酵・熟成と変化を続ける彼のワインに今後も注目です。
クラッシコの生産地域の中でも、モンテセコンドのある北西部は、土地も痩せていて、低アルコールのワインを産するゾーン。当主シルヴィオ メッサーナは元ミュージシャン。ボリューミーなものではなく、酸という神経がビシッと通ったワインが好み。ワイナリーに隣接する、標高が低く粘土質土壌の比較的温暖な区画と、住まいのある標高500mの石灰岩質土壌の区画に畑を持ち、それらをブレンドすることで、前者がワインに果実味やボディを、後者が酸やミネラルを付与しています。