Italy / Sicily
Bonavita
Mainly Nerello Mascalese,Nerello Cappuccio,Nocera
Alc.11.5%
茶色がかった、淡い赤色。
木苺のコンフィチュールのような香りと土っぽい落ち着いた香り。
しっかりと芯の通った味わいに、心地よい酸味と旨味の余韻。
ボリューミーで満足感のあるロゼ。
インポータ資料より
100年前はシチリア有数のワイン生産地域であったにも関わらず、現在DOC Faroをビン詰めしているカンティーナは彼を含めわずか5つ。
シチリア最古のDOCでありながら最少のDOCという複雑な背景を持つ地域。
2005年にスタートしたボナヴィータ、当主のジョバンニは僅か1haの畑からスタートし、トラクターも使用しない手作業中心のブドウ栽培を開始。
標高は約300m、北向きの斜面はシチリアの強すぎる日差しと高温から適度に果実を守り、メッシーナ海峡より吹き続ける北からの潮風は、果実に十分な酸と骨格を、そして南にある手つかずの山林は、地域特有の南風シロッコ(アフリカ大陸から海を越えてやってくる、砂と水分を含んだ熱風。シチリアの農作物に多大な被害を与えることで有名)から、自然の盾として畑を守ってくれる。
栽培されるブドウはネレッロ マスカレーゼ、ネレッロ カプッチョ、ノチェッラと呼ばれる地域特有の品種、このノチェッラの強い個性(酸が強く果皮の色素が薄い)こそがファーロの個性といっても過言ではない。
醸造について、果実は一部除梗せず、大樽にて3週間以上の長いマセレーションを行い、緩やかに醗酵を行う。木樽に移し12か月、ビン詰め後6か月の熟成。
ロザートは約1日のマセレーションを行い、野生酵母による醗酵。
十分すぎる色素(アントシアニン)は、不安定といわれるロザートの醗酵を非常に安定させ、SO2の添加を驚くほど抑えることができる。
溢れんばかりの香りと、口当たりの柔らかさにはいつも驚かされる。
ワイン造りへの誠実さ、穏やかな意思表現を持ちつつ、自身の実践と考察から生まれる、確固た自信を内に秘めるジョバンニ。年々着実に進歩していく彼のファーロ、今後が本当に楽しみな造り手の一人です。