Italy /Toscana
Rose'2021
Montesecondo(Silvio Messana)
Sangiovese
Alc.%
(テイスティングコメント)
ザクロやフランボワーズなどの香り。
ドライフルーツの様な落ち着いた果実味にしっかりとしたタンニンがあり、赤ワインに近いロゼワイン。
(商品について)
バルベリーノ ヴァル エルザで小さなワイナリーを営むロビンから譲り受けたサンジョヴェーゼで造られるロゼ。
造り手シルヴィオの個人名義で造るワインは、モンテセコンドの畑ではなく、キャンティとは別のエリアにある4軒の農家のブドウから造られています。
エチケットに書かれている“sarf”はアラブ語で「交換」を意味する言葉でトスカーナの栽培農家から買い上げたブドウでシルヴィオが醸造を行うプロジェクトの名前。
買い叩かれてしまうブドウを救いつつ、違う生産地域のブドウを自分が仕込んだらどのようなワインになるか、シルヴィオの好奇心を満たすために始められました。
軽くてチャーミングで爽やかなロゼワインというよりは、ジューシーながら丸みのある赤ワインのような仕上りになっています。
≪Montesecondo/モンテセコンド≫
「モンテセコンド」はフィレンツェに近いキャンティ クラシコの最北端、サン カッシャーノ イン ヴァル ディ ペサに位置しています。
現当主「シルヴィオ メッサーナ」はニューヨークで仕事をしながらミュージシャンを10 年以上目指し続けていましたが、1999年結婚を機にこの地に戻ってきました。
「父親は葡萄栽培農家だった。収穫した葡萄はバルクで販売していた。1970年代に作られた畑は農薬で傷んでいた。理想的ではなかった」と話します。
彼のファースト・ヴィンテージは2000年。
ここからシルヴィオは迷いながらワイン造りを変えていくことになります。
2001年からビオロジックを導入しましたが、薬剤に慣れていた葡萄は一時期収量が半減してしまいました。
病気に対応できなかったので、2004年からは段階的にビオディナミを導入していきました。
ビオディナミの第一人者であるニコラ・ジョリーに学びましたが、実際は困難の連続でした。
2008年はベト病によって80%の葡萄が焼け死んでしまったのです。
「自根の苗木を台木なしで植樹することも試した。 50%がフィロキセラにやられた」
しかし、ビオディナミの導入により葡萄樹は耐性を強めてきて、葡萄樹自体も強くなってきていると確信したのです。
シルヴィオ本人も自然への対処の仕方が理解できるようになっていきました。
「土壌はカルシウムやマンガンが豊富な粘土。硬く固まってしまう土壌で水分も貯めてしまう。ビオディナミによって土質が変化し、空気を含むようになった。その影響で水はけも良くなった」とシルヴィオは言います。
樹齢は35年で、古い畑はヘクタールあたり3,300本ですが、徐々に6,000本に変更していっています。
さらに、支柱と針金に支えられた葡萄樹が自然だと思えなかったことから、一部をアルベレッロ仕立てに変更しました。アルベレッロはすべて手作業で樹をケアしていく。
自然と収量も落ちるので、それほど樹齢の高くない彼の畑には都合が良かったのです。
また、湿気によるカビや病気が多いこの地域ではアルベレッロによって空気の流れができることも重要でした。
醸造に関してもいろいろなことを試していて、マセラシオンの長さも毎年変わってきます。
2007年頃からは完熟と美しい酸の確保の両立を意識し始めました。
「サンジョヴェーゼのピュアさを感じてもらうのに最適なのはワインになにも与えないアンフォラだと思う。
キャンティ・クラシコは樽熟成が義務付けられているので、IGTティンとしてリリースした」と言うシルヴィオ。
ワイン造りを始めてから15年でビオディナミの導入、アルベレッロへの変更、台木を使わない植樹。そしてアンフォラ発酵・熟成と変化を続ける彼のワインに今後も注目です。
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